症例を通じた急性期病院入院中の高齢者向けコミュニケーションロボット活用の探索

DOI 被引用文献1件 オープンアクセス
  • 野口 博史
    東京大学大学院医学系研究科ライフサポート技術開発学(モルテン)寄付講座
  • 小谷野 結衣子
    東京大学医学部附属病院看護部
  • 森 浩美
    東京大学医学部附属病院看護部
  • 小見山 智恵子
    東京大学医学部附属病院看護部
  • 真田 弘美
    東京大学医学部附属グローバルナーシングリサーチセンター 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学分野
  • 森 武俊
    東京大学大学院医学系研究科ライフサポート技術開発学(モルテン)寄付講座 東京大学医学部附属グローバルナーシングリサーチセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Exploration of communication robot use for older patients in an acute hospital based on case trials

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抄録

われわれは急性期病院において精神的な症状をもつ高齢者とロボットを会話させる試みを行ってきた.1つには,PepperとRoBoHoNというヒューマノイド型のロボットを病棟に常時配置し内蔵のソフトウエアで稼働させる試みを行い,病棟看護師の観察により患者が明るい表情を示す様子を確認できた.2つにはランダムにフレーズを繰り返し発話させるものや,家族のことや子供の頃など特定のトピックについて会話するソフトを開発し会話させた.ソフト開発を通じて高齢者への会話導入には腕を振るなどの注意を引く動作の重要性を確認した.加えて,繰り返しの発話を聞くことでリハビリに積極的になる症例を経験し,会話をすることで1名をのぞく10名の方では喜ばれ,自発的な発話が増える症例も見られた.これらから,ロボットの会話により急性期病院の高齢者において精神的な症状の緩和だけでなく,活動への参加意欲や社会性の向上などの効果も見られる可能性があると考えられる.

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