森林と境界をもつ草原内にベイトトラップを配置する場合の緩衝帯および草原内の河畔林の有用性:インドネシア共和国東カリマンタン州の食糞性コガネムシ類群集についての予備的研究

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タイトル別名
  • Buffer zones for placing baited traps in grasslands bordering forests and availability of riparian reserves of trees in grasslands: A preliminary study for dung beetle assemblages in East Kalimantan, Indonesia

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抄録

食糞性コガネムシ類(以下糞虫)は熱帯地域において生息地の質の有用な指標者である。昆虫を誘引するベイトトラップを用いて生息地の質を評価する場合、調査地外からの昆虫の移入を制限するようにトラップを配置する必要がある。森林性糞虫種の草原への移入を制限する林縁からの最短距離をみるために、東カリマンタンのアカシアマンギウム植林地と小さな二次林からなる林の林縁から100、200、300 m草原内に入ったトランセクト上に落とし穴式ベイトトラップを設置した。また、草原の縁に沿う河畔林の、森林性種の生息地としての有用性を評価するために、草原に接する河畔林にトラップを設置した。植林地内にもっとも多かった種が草原内で捕獲されなかったことから、100 mの緩衝帯は、草原内ベイトトラップへの森林性種の不要な捕獲を制限するのに充分であると考えられた。また、植林地内に多い種が河畔林でも多かったことから、草原内の河畔林が森林性種の生息地として作用すると考えられた。林縁と河畔林からの距離は、いずれも草原内の各トラップ位置における種構成の序列化の結果と関係しなかったことから、これらからの距離は草原内の糞虫群集に影響しないと考えられた。

収録刊行物

  • 森林総合研究所研究報告

    森林総合研究所研究報告 14 (3), 125-134, 2015

    国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所

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