2016年度 第1回 日本老年医学会 老化および老年医学研究助成 研究成果報告書 サルコペニア肥満に対する異所性脂肪沈着制御に着目した新規治療法の探索

  • 茂木 正樹
    愛媛大学大学院医学系研究科 薬理学(教授)

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  • サルコペニア肥満に対する異所性脂肪沈着制御に着目した新規治療法の探索
  • 2016ネンド ダイ1カイ ニホン ロウネン イガッカイ ロウカ オヨビ ロウネン イガク ケンキュウ ジョセイ ケンキュウ セイカ ホウコクショ サルコペニア ヒマン ニ タイスル イショセイ シボウ チンチャク セイギョ ニ チャクモク シタ シンキ チリョウホウ ノ タンサク

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<p>健康寿命の延長のためフレイル対策特にサルコペニアの原因解明と治療対策が重要視されている.糖尿病患者では,筋肉内の異所性脂肪沈着により筋質が低下するサルコペニア肥満が起こるが,今回Fibro-adipocyte progenitor(FAP)細胞の分化異常に着目しその原因を検討した.糖尿病マウス(KKAy)の下腿筋に薬物障害を与えて野生型マウス(WT)と筋修復を比較すると,筋再生遺伝子発現が低下し,脂肪分化誘導遺伝子発現が上昇し,障害後の筋重量の減少が認められた.KKAyではFAP細胞由来の脂肪沈着が顕著に誘導され,この異所性脂肪は筋肉内の血管周囲に多く認められたことから,WTにおいて下腿動静脈を結紮切離したところ,筋障害を誘導しなくても異所性脂肪沈着が認められた.以上より糖尿病による虚血が筋障害後にFAP細胞の分化を促進して筋肉内異所性脂肪沈着を誘導する因子の一つである可能性が示唆された.</p>

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