防水スプレーの吸入により急性肺障害を呈した一例
書誌事項
- タイトル別名
-
- A case suffering acute pulmonary disorders due to waterproofing spray exposure
この論文をさがす
説明
家庭でも汎用される防水スプレーは、直接吸入、さらには熱分解産物で毒性を増した成分の吸入により肺障害が引き起こされる。今回我々は、40+X 歳の男性が締め切った室内で防水スプレーを使用したところ呼吸困難を自覚し、約48 時間後に呼吸苦、咳嗽の悪化を認め防水スプレー吸入による化学性肺炎と診断した症例を経験した。その病態生理としては、撥水剤として用いられているフッ素樹脂により肺の表面活性物質が拮抗されて肺胞虚脱を生じ、一部が肺炎に移行する可能性が示唆されている。今回我々は暴露後数日たってから化学性肺炎を発症し、ステロイド、好中球エラスターゼ選択的阻害薬の投与、BiPAP(bi-level positive airway pressure)による呼吸管理を行うことで症状改善を得ることができた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。初発症状が軽微でも呼吸器症状の経過を詳細に観察することが重要であると考える。
収録刊行物
-
- 松江市立病院医学雑誌
-
松江市立病院医学雑誌 12 (1), 89-93, 2008
松江市立病院
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390845713086082048
-
- NII論文ID
- 130007687797
-
- ISSN
- 24348368
- 13430866
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可