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- 松永 妃都美
- 佐賀大学医学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Mothers’ Process of Avoiding Radiation Exposure by Fukushima Daiichi Nuclear Power Stations Accident
- ニュウヨウジ オ ヨウイク シテ イタ ハハオヤ ガ フクシマ ダイイチ ゲンシリョク ハツデンショ ジコ ノ ホウシャセン ヒバクカイヒ オ モクテキ ト シテ ジシュ ヒナン オ ジッコウ スル マデ ノ プロセス
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抄録
<p>目的:乳幼児を養育していた母親が福島第一原子力発電所事故の放射線被ばく回避を目的とした自主避難を実行するまでのプロセスを明らかにする.</p><p>方法:福島第一の事故当時に乳幼児を養育し,A地域での自主避難を継続していた母親21人を対象とした半構造化面接を行い,複線経路等至性アプロ―チを用いて分析を行った.</p><p>結果:研究協力者は,福島第一の事故に関するネガティブな情報を〔インターネット(SNS)を活用した情報収集〕で獲得し,〔SNS情報と現実がスッとつながる感覚〕を経験していた.このことが【避難元の生活で放射線被ばく健康影響が起こると考える】起点となり,{選択的情報収集}や〔放射線被ばく回避行動〕の契機になっていた.また研究協力者は,〔子どもを被ばくさせた罪悪感〕や〔放射線被ばく防護の限界〕を痛感するなかで{自主避難という選択肢の台頭}をしていた.しかし同時にこのことは,夫と築いた〔家族についての熟考〕をすることでもあった.このような熟考と〔避難への交渉と駆け引き〕を行うなかで研究協力者は〔母としての自己役割を優先〕する.そして【築き上げた生活や人間関係を捨てる覚悟】を行ったのち,≪放射線被ばく回避を目的とした自主避難の実行≫をしていた.</p><p>考察:自主避難を継続する母親への支援には,放射線被ばくへの不安や恐怖を和らげること,また避難を実行するまでの苦難や葛藤を理解した対応が重要であることが示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本地域看護学会誌
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日本地域看護学会誌 21 (2), 14-21, 2018
一般社団法人 日本地域看護学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713086766720
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- NII論文ID
- 130007691519
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- NII書誌ID
- AA11362530
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- ISSN
- 24320803
- 13469657
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- NDL書誌ID
- 029225395
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可