教育入院によりセルフケア行動が改善した2型糖尿病の症例

DOI
  • 三上 翔太
    筑波メディカルセンター病院 リハビリテーション療法科 つくば糖尿病予防研究会
  • 滑川 博紀
    筑波メディカルセンター病院 リハビリテーション療法科
  • 大曽根 賢一
    筑波メディカルセンター病院 リハビリテーション療法科
  • 斎藤 久子
    筑波メディカルセンター病院 リハビリテーション科
  • 鈴木 康裕
    筑波大学附属病院 リハビリテーション部 つくば糖尿病予防研究会
  • 石川 公久
    筑波大学附属病院 リハビリテーション部

抄録

<p>【背景および目的】セルフケア行動は,心理要因(自己効力感・健康信念)から様々な影響を受けている。糖尿病診療ガイドラインにて,組織化された糖尿病自己管理教育と療養支援は有効であると示されている。そこで,糖尿病教育入院の症例に対し,セルフケア行動に着目し,運動指導やフットケア指導をしたので報告する。</p><p> </p><p>【方法(または症例)】50歳代女性で,平均歩数3200歩/日。2012年に糖尿病を指摘された。2015年以降,病状変化が無く通院を自己中断した。2017年の健康診断でHbA1c16.0%であり,血糖値コントロールと療養教育目的で入院となった。入院時,HbA1c14.9%・空腹時血糖259mg/dl・尿中ケトン体陰性・CPR1.5 ng/ml・CPI0.49とインスリン分泌能低下を認めた。体成分分析装置(In Body720)にて体脂肪率33.4%。運動療法は,有酸素運動を強度60%・時間30分に設定し自転車エルゴメータ,レジスタンストレーニングは運動強度60%に設定し重錘負荷で実施した。また,加速度計装置付き歩数計(メディウォーク)を貸し出し,中等度活動強度を3Metsに設定し,歩数・中等度活動時間を測定した。足病変予防に対しFoot Scan(RS Scan)にて足底圧評価や歩行指導,フットケア指導を実施した。さらに,糖尿病の知識やセルフケア行動獲得を目的に糖尿病教室へ参加した。</p><p> </p><p>【結果】入院期間は9日間で,入院中の活動量は平均歩数7600歩/日・中等度活動時間35分/日と向上し,体脂肪率30.4%と改善を認めた。Foot Scanにて,左小趾球に圧が高い部位があったが歩行指導にて改善を認めた。行動変容stageでは,初期はセルフケアに無関心であったが,行動期への移行が図れた。</p><p> </p><p>【考察および結論】メディウォークを利用した事で、自己効力感の向上が図れた。また,フットケア指導や糖尿病教室への参加で健康信念の向上が図れ,結果的にセルフケア行動獲得に繋がったと考えた。組織化された糖尿病自己管理教育はセルフケア行動改善に有効だと思われた。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本学会にて発表する旨を本人と家族に説明し同意を得た。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), A-121_1-A-121_1, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845713087867904
  • NII論文ID
    130007692453
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.a-121_1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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