通所リハに関するアンケート調査から見えたケアマネと利用者の利用ニーズの傾向
説明
<p>【はじめに・目的】</p><p>高齢化率が進む我が国における通所リハビリテーション(以下通所リハ)の役割として介護者の負担軽減を担うだけでなく介護予防や要介護状態の維持、改善が求められる。レスパイト及びリハ機能を兼ね備えた通所リハは今後も利用ニーズの高いサービスと考えられ、平成30年度の介護報酬改定においても通所リハの基本報酬は引き上げられている。その一方で通所リハ以外の通所系サービスの内容も多様化している中で通所リハとの違いや社会的役割が不明瞭になっている現状もある。これらを改めて考慮すると利用者や調整役であるケアマネージャー(以下ケアマネ)の通所リハに対するニーズを知り、サービスの質向上に向けた取り組みを再考していく必要があると考えた。そこで両者の潜在的なニーズやその優先度を調査する事を目的にアンケートを行った。</p><p>【対象と方法】</p><p>平成30年3月末時点で当事業所に利用登録されている117名、ケアマネは利用者と契約している49事業所を対象とした。利用者(家族あるいはその両方)とケアマネに対してそれぞれアンケート用紙を作成した。「最も重要視するサービス」は単一回答、「必要なサービス、今後充実させてほしいサービス」複数回答とし、自由回答の項目も設けた。回答者は利用者本人あるいは家族またはその両者とし、ケアマネは事業所に複数在籍している場合は全員の意見を集約した形で回答するよう指示した。回答期間は1ヶ月とした。</p><p>【結果】</p><p>回収率は利用者59%、ケアマネが41%であった。</p><p>利用者の結果では最も重要と答えたサービスはリハビリ(52%)、送迎(26%)、入浴(10%)、必要なサービスの項目ではリハビリ(23%)、入浴(15%)、家族の負担軽減(12%)、今後さらに充実させてほしいサービスはリハビリ(26%)、健康管理に関する取組み(19%)の順であった。</p><p> ケアマネの結果では最も重要と答えたサービスは個別リハ(39%)、生活指導(11%)、社会参加支援、医学的管理体制(7%)、必要なサービスでは個別リハ(23%)、生活指導(14%)、医学的管理体制(9%)、今後さらに充実させて欲しいサービスは個別リハ(26%)、家族指導(19%)、医師の関わり(13%)の順であった。</p><p>【結論】</p><p>利用者(家族)とケアマネ間の共通のニーズとしてリハビリが高い割合で回答する傾向にあった。それ以降で利用者はレスパイト機能に関するニーズが続いた。ケアマネは個別リハに加えて専門職の助言や医学的管理体制に関するニーズが続いた。今回対象とした双方のアンケート内容が異なるため両者を比較して論じる事は出来ないが、今回のケアマネは利用者が契約している居宅介護支援事業所のみに送付したものであるため利用者とケアマネのニーズは類似しているはずであったが両者には異なる傾向が見られた。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本調査はヘルシンキ宣言に基づき、当院倫理委員会の承認を受け実施した。</p>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 46S1 (0), G-123_1-G-123_1, 2019
公益社団法人 日本理学療法士協会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713087951616
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- NII論文ID
- 130007693369
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可