書誌事項
- タイトル別名
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- The Front Line of Superconducting Materials -Advances in Organizational Control Techniques toward Practical Use
抄録
<p>超伝導材料は低温,強磁場中で電気抵抗ゼロという重要な性質を持つため,医療用MRIや素粒子加速器,あるいは磁気浮上列車,等々において広く応用されている.超伝導材料開発の歴史は長く,その応用範囲を広げるため,物理的・化学的・工学的な試みが世界各国で継続的に続けられてきた.現在では,実用材料である金属系超伝導体(NbTi合金,Nb3Sn化合物)に加えて,Bi系銅酸化物(1988年発見)や希土類系銅酸化物REBCO(1987年発見)の高温超伝導体,MgB2超伝導体(2001年発見),および鉄系超伝導体(2008年発見)が実用化競争に参列してきている.特に,高温超伝導体は発見後すでに30年以上が経過し,冷凍機技術の進歩も相まって,強磁場発生コイルからモーター,ケーブル等の幅広い応用展開が進んでいる.一方,MgB2は組成がシンプル,鉄系超伝導体は異方性が小さい,という長所があり,それぞれの特徴を活かした実用化研究も並行して行われている.最近では,超伝導永久電流モードに不可欠な超伝導体同士の接続や従来のNb3Snの特性向上においてもスポットが当てられ,新たな展開も起こりつつある.超伝導状態の上限を定める臨界温度と臨界磁場は物質固有の性質であるため結晶構造や原子の配列状態に起因するが,実用上最も重要なパラメータである臨界電流は材料組織に強く依存している.そのため,超伝導体の種類を問わず,臨界電流の向上においては金属学分野における組織制御技術の知見が大変重要である.これまで日本金属学会誌では,2000年代に入ってすでに4回の超伝導材料に関する特集が組まれ,着実な超伝導材料研究の進歩が報告されてきた.本特集においても材料組織制御の観点から「超伝導材料の最前線」にせまり,実用化を加速するための一助としたい.</p>
収録刊行物
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- 日本金属学会誌
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日本金属学会誌 83 (9), 293-293, 2019-09-01
公益社団法人 日本金属学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845713088489600
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- NII論文ID
- 130007695364
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- ISSN
- 18806880
- 24337501
- 00214876
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可