鏡視下膝関節手術を契機にアルカプトン尿症の診断に至った1例

抄録

<p>アルカプトン尿症はまれな疾患であり,主な臨床像は尿の黒変,組織黒変(オクロノーシス),脊椎症,関節症(アルカプトン尿症性関節症)である.初期には症状が軽度であるため進行して診断される症例が多く存在する.今回我々は膝関節鏡手術を契機にアルカプトン尿症の診断に至った1例を経験したので報告する.症例は50歳男性 特に誘因なく右膝関節痛が出現し当科受診された.右膝関節の可動域は屈曲120度 伸展0度であった.日本整形外科学会膝関節機能判定基準は55点であった.画像所見:単純X線で右膝関節内側裂隙の狭小化を認めた.高位脛骨骨切術を目的として入院となり,関節鏡を行ったところ,黒色に色素沈着した滑膜組織の増生を認め,関節軟骨も黒色に変色していたため骨切りを中止とした.術後,尿検査でホモゲンチジン酸が陽性であったため,アルカプトン尿症と診断した.</p>

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