肩関節鏡手術後に肺塞栓を来しプロテインC欠損症が判明した1例

抄録

<p>【症例】63歳,男性.1年前から誘因なく右肩痛が出現し,近医で保存療法を受けていたが疼痛が継続し,当院外来を受診した.採血検査にてCRP値の上昇(4.34 mg/dL)を認め,肩関節穿刺にて黄白色の関節液を採取し,細胞数の上昇(95,200/μL)を認めたため,右化膿性肩関節炎と診断した.関節鏡視下に滑膜切除と持続洗浄ドレナージ術を2回施行した.2回目の術後1週目にD-ダイマー値の上昇(14μg/mL)を認め,下肢超音波検査にて深部静脈血栓症(以下DVT)を認め,造影CTで肺血栓塞栓症を認めた.下大静脈フィルターを留置し抗凝固療法を開始した.入院34日目の造影CT検査で肺血栓は消失し,49日目にCRPが陰性化し,71日目に退院した.退院後の精査にてプロテインC活性低下を認め,先天性プロテインC欠損症と診断した.【考察】本症例は,当科のガイドラインに沿ったDVT対策を行ったことにより,肺血栓塞栓症の早期の発見及び治療介入が可能であったと考えられた.</p>

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参考文献 (1)*注記

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