巨脾を呈したmantle cell lymphomaの一例

この論文をさがす

説明

61歳女.左上腹部膨満感,同部圧痛を主訴とした.巨大脾腫を呈したが,表在リンパ節は触知しなかった.末梢血・骨髄でリンパ球の増殖はなく,形態異常もないが,末梢血リンパ球表面のκ/λ比偏倚によりリンパ腫の白血化を疑い,脾原発リンパ腫と考えて摘脾を施行した.その組織像およびcyclin D1の陽性所見により,mantle cell lymphoma(MCL)と診断した.MCLは,現行の治療では治癒に至らず,予後は悪いとされているが,本例の腫瘍細胞は形態的に核のくびれのない小リンパ球様で,染色体異常もなかった.無治療で慎重に経過観察を行っているが,術後6ヵ月後も諸症状は軽快している.しかし末梢血リンパ球のκ/λ比偏倚は,なお残存している

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ