免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象として発生するACTH 分泌低下症に如何にして気づくか

DOI Web Site 参考文献10件 オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • How to effectively recognize adrenocorticotropic hormone deficiency as an immune-related adverse event associated with immune checkpoint blockade

この論文をさがす

説明

<p>免疫関連有害事象のACTH 分泌低下症の診断において,低ナトリウム血症,好酸球増加,低血糖がバイオマーカーとしてどの程度有用かを明らかにするために,2017 年12 月1 日から2018 年11 月30 日の間に当科で経験した,免疫チェックポイント阻害薬によるACTH分泌低下症7 例の,発見時の症状と一般検査所見を検討した.全例が抗PD-1 抗体を投与された患者で,抗CTLA-4 抗体を投与された者はなかった.発症時年齢の平均値は69 歳,薬剤初回投与から副腎皮質機能低下症の診断までの期間の中央値は154 日だった.診断時の臨床症状は,慢性倦怠が3 例,急性倦怠が4 例だった.診断時の血中コルチゾール値は,6 例が4 μg/dL 未満を呈し,他の1 例も10 μg/ dL 未満だった.全例で血中ACTH は正常低値~低値で,続発性副腎皮質機能低下症(ACTH 分泌低下症)と考え られた.他の下垂体前葉ホルモンの障害は,検討された範囲ではみられなかった.下垂体MRI で下垂体の腫大をみとめた症例はなかった.全7 例のうち,新たに発生した,低ナトリウム血症,好酸球増加,低血糖のいずれかを認めた症例は4 例,いずれをも認めなかった症例は3 例だった.一般検査所見は,免疫チェックポイント阻害薬に関連したACTH分泌低下症・続発性副腎皮質機能低下症を検出するためのバイオマーカーとして必ずしも十分ではない.</p>

収録刊行物

  • Tenri Medical Bulletin

    Tenri Medical Bulletin 22 (2), 94-100, 2019-12-25

    公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ