ダイヤモンド状炭素薄膜の膜物性と抗菌特性の相関性

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抄録

<p>近年、医療デバイスの応用には高分子材料が多岐に使われている。しかし高分子材料は体内に入ると材料表面の細菌感染や非適合性の反応を誘起するという問題がある。ダイヤモンド状炭素 (DLC) 膜は生体適合性、抗菌性に優れ、医療デバイスへのコーティング材料として期待されている。さらに先行研究ではDLC膜に微量の生体必須元素を含有させて表面処理を施すと生体特性に有利な影響を及ぼすことが報告されている。本研究では高周波プラズマ化学気相成長プロセスを用いて汎用ポリスチレン上にフッ素含有DLCを成膜しその後、酸素ガスでの大気圧プラズマ処理により表面改質を行った試料 (O-F-DLC) を作製し膜物性と抗菌特性を検討した。抗菌特性評価は、国際標準化機構 (ISO Z 22196) によって定められたフィルム密着法によって評価した。また評価菌種液は大腸菌と黄色ブドウ球菌を用いた。抗菌試験の結果より、O-F-DLCは抗菌活性値が2以上となり、抗菌性があると判断された。これは大気プラズマ処理により表面修飾された高濃度酸素により菌の増殖が抑制されたと考えられる。以上のことから、DLC膜に表面改質を施すことは、抗菌特性を向上させる有用な技術であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S88_2-S88_2, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390846609789164800
  • NII論文ID
    130007776957
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s88_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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