術前胃透視の遺残バリウムにより胃穿孔をきたした胃癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Gastric Cancer Patient who Developed Gastric Perforation due to Residual Barium Sulfate after X-ray Gastrography
  • 症例 術前胃透視の遺残バリウムにより胃穿孔をきたした胃癌の1例
  • ショウレイ ジュツゼン イ トウシ ノ イザンバリウム ニ ヨリ イ センコウ オ キタシタ イガン ノ 1レイ

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説明

<p>症例は81歳,男性.前医にて胃体上部から前庭部小弯の4型胃癌と診断され,当科での手術待機中であった.前医での胃透視から10日目に突然の腹痛で当科を救急受診し,単純X線で胃内に多量の遺残バリウムを,CTでfree airとバリウムの腹腔内漏出を認め,穿孔性腹膜炎と判断し緊急手術を行った.術中所見では穹窿部から体上部後壁にかけて5cm径の穿孔と胃内に泥状の遺残バリウムを認めた.小網全体から肝十二指腸間膜にまで胃癌の浸潤が及んでいたため,姑息的胃全摘,Roux-en-Y再建,腹腔洗浄・ドレナージを行った.病理診断で穿孔は非癌部であったことから,広範囲な浸潤を伴った4型胃癌のために蠕動運動が低下し,遺残した多量のバリウムによる圧迫壊死で穿孔したのではないかと判断した.遺残バリウムでの非癌部の胃穿孔の報告はない.胃全体に及ぶ4型胃癌症例では,バリウム停滞による穿孔を考慮し排泄を十分に観察する必要がある.</p>

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参考文献 (2)*注記

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