腰椎術後痛のある高齢者において健康関連quality of lifeと関連する身体活動量パラメータの予備的検討
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- 樋口 大輔
- 高崎健康福祉大学
抄録
<p>【目的】腰椎術後痛のある高齢者において健康関連quality of lifeと関連する活動量パラメータを明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】腰部脊柱管狭窄症に対する手術を1年以上前に受け、腰部または下肢に疼痛が残る65歳以上の人12人(75.1 ±4.0歳;男性6人、女性6人)を対象とした。測定・調査項目は疼痛強度のほか身体活動量、健康関連quality of life(QOL)とした。身体活動量の測定にはHJA-750C (オムロン社製)を用い、装着時間1時間当たりの平均歩数、歩行時間、活動時間(1 〜2METs /2 〜3METs /3METs 〜)、歩行エクササイズ(Ex)、生活活動Ex を求めた。健康関連QOLの調査にはSF-36を用いた。疼痛強度を調整変数とし、身体活動量パラメータとSF-36 の下位スコアとの偏相関係数を算出した。統計解析の有意水準は危険率5%とした。</p><p>【倫理的配慮】演者所属機関の倫理審査委員会の審査を受け、研究実施の許可を得た。また、各対象者に研究の内容を口頭で説明し、研究参加の同意を記名にて得た。</p><p>【結果】2 〜3METsの活動時間および生活活動Exは全体的健康感(2 〜3METsの活動時間:.62、p<0.05、生活活動Ex:.66、p<0.05)と正の相関を示した。一方で、歩行時間および歩行Exは社会生活機能(歩行時間:− .67、p<0.05、歩行Ex:−.63、p<0.05)と、1 〜2METs の活動時間は全体的健康感(−.64、p<0.05)および日常役割機能(精神)(−.62、p<0.05)と負の相関を示した。</p><p>【考察】低強度よりも中等度の強度の生活活動を多く行うほど全体的な健康感が高かったことから、健康関連QOLが高い人と低い人とでは行っている日常生活活動の内容が異なることが考えられた。また、歩行を多く行うほど社会生活機能が低かったことは、他者との関わりが少ない人は空いた時間に散歩を行う傾向にあるのかもしれない。</p><p>【まとめ】腰椎術後痛のある高齢者において中等度以上の生活活動時間は健康関連QOLの一側面と正の関連を示す。</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 38 (0), O-010-, 2020
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390846609790771840
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- NII論文ID
- 130007779489
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可