ヒッグス粒子と超対称性粒子の実験的な話 (解説)

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental Studies on Higgs Bosons and Supersymmetric Particles
  • ヒッグス粒子と超対称性粒子の実験的な話
  • ヒッグス リュウシ ト チョウタイショウセイ リュウシ ノ ジッケンテキ ナ ハナシ

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抄録

この記事は日本物理学会のレビューセッションにおいて話した内容である.「実験的な話」というのは話自体が実験的であるということに他ならない.素粒子物理学は,極言すれば宇宙の森羅万象の基礎になっている法則をつきとめるという野心的な学問である.但し,時空や基本粒子の法則だけを知っていれば,物性や生命現象,株価の変動が理解できるとは思ってもいない.P.W.Andersonは,行き過ぎた要素還元主義に対する警句として,数的な増加によって異なる構造や現象が現れることを「More is different」と表現しておられるが,素粒子物理の真髄は徹底した要素還元主義なので,不遜にも「Less is essential」という常用句を持って対抗したい.冒頭から暴走気味なので,これ以降はヒッグス粒子と超対称性の説明にあたり,現在の素粒子の標準理論について必要最小限の説明をして冷静になることにする.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 65 (8), 614-620, 2010-08-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (7)*注記

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