急性肝障害と低血糖に低インスリン血症を伴った飢餓状態の3例

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タイトル別名
  • Three cases of starvation with acute liver injury, hypoglycemia and hypoinsulinemia

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説明

<p>神経性食思不振症における急性肝障害や低血糖は多く報告されているが,高齢者の飢餓状態でも同様の症例が報告されている.飢餓状態の急性肝障害は低血糖を防ぐための肝臓でのオートファジー(自食作用)が原因である.オートファジーとは,細胞内の不要なタンパク質を排除し,その恒常性を保つために必要不可欠な現象であるが,飢餓状態では糖新生のために肝細胞のオートファジーを起こしている.低インスリン,低アミノ酸,グルコース欠乏がオートファジーを誘導する.治療は栄養療法であるが,高度な低血糖を伴うことが多く,リフィーディング症候群に注意を行いつつ,早期から慎重かつ十分な栄養療法を行うことが推奨される.今回,我々は半年間で認知症患者,精神疾患患者に,急性肝障害と低血糖に低インスリン血症を伴った飢餓状態の3症例を経験した.今後,超高齢化社会において同様な患者の増加が懸念されるため文献的考察を加え報告する.</p>

収録刊行物

  • 学会誌JSPEN

    学会誌JSPEN 1 (3), 199-205, 2019

    一般社団法人 日本栄養治療学会

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