右手動作の拙劣さと両手に道具把握の障害を認めた左脳梗塞例に対する上肢機能訓練の試み

  • 花田 恵介
    穂翔会村田病院リハビリテーション部 山形県立保健医療大学大学院保健医療学研究科博士後期課程
  • 空野 楓
    穂翔会村田病院リハビリテーション部
  • 河野 正志
    穂翔会村田病院リハビリテーション部
  • 竹林 崇
    大阪府立大学地域保健学域総合リハビリテーション学類
  • 平山 和美
    山形県立保健医療大学大学院保健医療学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Task-oriented training for unilateral hand clumsiness characterized by inability to form tool oriented hand postures in a left hemisphere stroke patient:
  • 右手動作の拙劣さと両手に道具把握の障害を認めた左脳梗塞例に対する上肢機能訓練の試み : 症例報告
  • ミギテ ドウサ ノ セツレツ サ ト リョウテ ニ ドウグ ハアク ノ ショウガイ オ ミトメタ ヒダリ ノウコウソクレイ ニ タイスル ジョウシ キノウ クンレン ノ ココロミ : ショウレイ ホウコク
  • A case study
  • ─症例報告─

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説明

右手動作の拙劣さと両手に道具把握の障害を呈した,左の前頭葉および頭頂側頭葉梗塞例を経験した.手指分離動作は十分可能で協調運動障害もなかった.しかし,右手での手指形態模倣や,衣服のボタン操作,手袋の操作が困難であった.さらに箸やスプーン,ハサミなどが,左右手ともうまく把握できなかった.この症状に対して右手の課題指向型訓練を14日間実施した.本例は道具を一旦正しく把握できれば,それ以降の使用動作は問題なく行えた.また,把握の誤りは,検査者が道具を手渡したり,一方の手でもう一方の手に道具を持たせたりすると少なくなった.この残存能力を生かして訓練を行ったところ,日常生活における右手の使用頻度が増加した.

収録刊行物

  • 作業療法

    作業療法 39 (1), 118-126, 2020-02-15

    一般社団法人 日本作業療法士協会

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