イネの籾乾物収量を用いた成熟期における地上部窒素吸収量の推定

  • 髙本 慧
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点
  • 高橋 智紀
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点
  • 戸上 和樹
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点
  • 西田 瑞彦
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点
  • 土屋 一成
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点
  • 浪川 茉莉
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構東北農業研究センター大仙研究拠点

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of nitrogen uptake at the mature stage of rice from the dry yield of rough rice
  • イネ ノ モミ カンブツ シュウリョウ オ モチイタ セイジュクキ ニ オケル チジョウブ チッソ キュウシュウリョウ ノ スイテイ

この論文をさがす

抄録

<p>近年普及が進みつつある収量コンバインで施肥マップを作成するには,籾乾物収量から成熟期の地上部窒素吸収量を推定する必要がある.両者の関係を精査するため,本研究では農研機構東北農業研究センター大仙研究拠点内で行っている連用試験のうち,2008年から2017年の栽培試験結果を解析した.解析対象は,あきたこまち,キヨニシキ,べこあおばの3品種で,さらにあきたこまちは水稲連作区と田畑輪換区にわけて解析した.</p><p>全解析対象で,籾乾物収量と成熟期における地上部窒素吸収量の回帰式を作成すると,高い直線性(R2=0.87)が得られた.両者の関係を品種別に解析すると回帰式の傾きが,栽培管理別では切片が有意に異なっていた.また,地上部窒素吸収量の推定式の作成では,説明変数に籾乾物収量以外に気象要因も含めた重回帰を行った.その結果,説明変数が籾乾物収量のみの推定式の決定係数は0.85~0.93,気象要因を含む赤池情報量規準(AIC)が最も小さかった推定式では0.86~0.93であった.両推定式の二乗平均平方誤差(RMSE)の差を比較すると,0.01~0.07 g-N m−2と小さく,1~9%しか変わらなかった.このことから,籾乾物収量のみで成熟期における地上部窒素吸収量の推定を高い精度で行えることが示された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ