カテプシンS阻害薬の点眼が涙液分泌を回復させる?

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抄録

シェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome: SS)は,涙腺や唾液腺といった外分泌腺における慢性炎症を主徴とし,ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状を呈する自己免疫疾患であり,我が国では難病に指定されている.乾燥症状が悪化すると日常生活に支障をきたし,QOLが著しく低下する.我が国において眼表面の角膜上皮障害に対する点眼薬は市販されているものの,涙腺からの涙液分泌そのものを回復させる治療法は確立されておらず,抜本的な病態へのアプローチが急がれる.<br>本稿では,免疫に関与するカテプシンS阻害薬の全身投与および点眼により,SS涙腺炎モデルマウスにおける涙液分泌量を回復させたKlinngamらの論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Klinngam W. et al., Sci. Rep., 9, 9559(2019).<br>2) Li X. et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 51, 5019-5029(2010).<br>3) Hamm-Alvarez S. F. et al., Arthritis Reumatol., 66, 1872-1881(2014).<br>4) Edman M. C. et al., Sci. Rep., 8, 11044(2018).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 56 (3), 258-258, 2020

    公益社団法人 日本薬学会

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