身体表現性障害が疑われた患者の予後―ペインクリニックにおける介入の効果についての考察―

書誌事項

タイトル別名
  • Outcome of pain clinic treatment in patients diagnosed with somatoform disorder
  • 症例 身体表現性障害が疑われた患者の予後 : ペインクリニックにおける介入の効果についての考察
  • ショウレイ シンタイ ヒョウゲンセイ ショウガイ ガ ウタガワレタ カンジャ ノ ヨゴ : ペインクリニック ニ オケル カイニュウ ノ コウカ ニ ツイテ ノ コウサツ

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抄録

<p>身体表現性障害とは「検査所見に異常が無く,医師がその症状には身体的根拠が無いとするにもかかわらず,身体症状を反復して訴え,絶えず医学的検査を要求する」と定義される.身体表現性障害として紹介された8人が,当院ペインクリニックでの介入により,どのような経過をたどったか報告する.症例A~Cは未治療であった身体的根拠があり,その器質的原因に対する治療によって痛みが軽減し,生活機能が改善した.症例D~Fは生活機能が保たれており「慢性痛の治療目的は生活の質を改善していくことである」という説明を理解し,身体症状を反復して訴え完治を期待する言動をやめた.症例Gは8カ月後に解離性障害と診断され精神科入院となった.症例Hは,生活機能は保たれていたが慢性痛の説明に納得できず,1年後も身体表現性障害の言動を継続していた.以上より,身体表現性障害と診断されても,ペインクリニックの介入が有効なケースもあると考える.</p>

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