人生の最終段階における医療についての家族の意思決定の実態と思い

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タイトル別名
  • Decision Making Regarding Treatment in the Terminal Stage by Family Members, and Their Feeling
  • ジンセイ ノ サイシュウ ダンカイ ニ オケル イリョウ ニ ツイテ ノ カゾク ノ イシ ケッテイ ノ ジッタイ ト オモイ

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抄録

<p>研究目的:人生の最終段階における医療についての意思決定の実態及びそれに関する思いを明らかにするとともに,看取りに関して抱いている家族の思いを明らかにする。</p><p>研究方法:家族の一員を0.5-3年以内に亡くし,その人生の最終段階における医療についての意思決定に関わった11人(亡くした家族は13ケース)を対象に行った個別面接を質的に分析した。</p><p>結果及び考察:いずれのケースも病状及び治療についての説明は,本人や家族に行われていたが,多くは治療法についての説明に終始しており,よくわからないまま同意した家族も多かった。予後については,明確に説明されたケースから,かなり遅くなるまで話されなかったケースまであった。よくなると信じていて,患者の願っていた帰宅が果たされずに終わってしまったりしたケースなどでは,予後についての説明がなされていれば,別の選択が行われたに違いなく,患者本人や家族にとって,より納得できるものだったのではないかと考えられる。</p><p>延命治療については,ほとんどのケースで家族に選択の機会が与えられ,意向が確認されていたが,主治医と家族との話し合いで決定されているケースがほとんどであった。また,患者が意思決定できる状態であったにも関わらず,患者本人の希望を訊かず,家族に意思決定が求められたケースもあった。</p><p>また,どの家族も患者の死について,程度の差はあっても,受容していた。家族の語りからは,諦めとともに,高齢だったこと,安らかな最期だったこと,苦しい時期が短かったことなど,「いいところ探し」をして受容しようとしている姿が浮かび上がってきた。</p>

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