認知症高齢者グループホームにおける介護職者と訪問看護師との関わり

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タイトル別名
  • Relationship Between Visiting Nurses and Care Staff at Group Homes for Elderly with Dementia
  • ニンチショウ コウレイシャ グループホーム ニ オケル カイゴショクシャ ト ホウモン カンゴシ ト ノ カカワリ

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抄録

<p>認知症高齢者グループホームは,要介護の認知症高齢者に共同生活の中で日常生活のケアと機能訓練を提供している。入居者と家族の多様なニーズに対応するために介護と看護の密接な連携が必要であるが,介護職者と看護師の関わりにおける介護職者の葛藤も示唆されている。本研究は,認知症高齢者グループホームの介護職者と訪問看護師との関わりを明らかにし,よりよい協働のあり方について検討することを目的とした。</p><p>認知症高齢者グループホーム6事業所において,108人の介護職者(20歳から74歳まで)を対象とした質問紙調査を実施した。訪問看護師を名前または職名で呼ぶ介護職者は,訪問看護師との情報交換(p<0.001)と雑談(p=0.015)の頻度が有意に高かった。また,訪問看護師から名前または職名で呼ばれる介護職者は,看護師との情報交換,ケアの知識と技術の相談(p<0.001)訪問看護師との雑談(p<0.001)の頻度が有意に高かった。受診のタイミングに不安や困難感をもつ介護職者は,訪問看護師との協働についてストレスを感じる傾向にあったが(p=0.075),訪問看護師と雑談をする頻度も高い傾向にあった(p=0.057)。さらに,自由記述では多くの介護職者は看護師に情報交換の機会や話し合いの場を求めていた。その一方で,訪問看護師に協調的な態度を求める意見もあった。</p><p>介護職と看護職の関係性において,お互いに名前を呼びあうことは,個の存在を意識し,尊重する表現として重要な要素となる可能性がある。訪問看護師が積極的に介護職者とコミュニケーションをとる機会をつくり,協調的な態度をとることによって,よりよい協働の関係性が構築される可能性が示唆された。</p>

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