地方を取り巻く課題と若者の生き方

書誌事項

タイトル別名
  • Challenges in Japan’s “Regions” and Young People’s Life Course:
  • 地方を取り巻く課題と若者の生き方 : 雇用機会の地域差から問題をみる
  • チホウ オ トリマク カダイ ト ワカモノ ノ イキカタ : コヨウ キカイ ノ チイキサ カラ モンダイ オ ミル
  • Focusing on Regional Disparities in Employment
  • ―雇用機会の地域差から問題をみる―

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抄録

<p> 本稿では,地方を取り巻く課題を,雇用機会の面を中心に整理し,雇用機会の地域間格差が若者の生き方にどう影響しているのかを考察する。<br> 地方出身の若者が出身地を離れるタイミングは,本稿が用いたデータでは18歳時の大学等への進学が中心だが,雇用機会の地域差は,学校を卒業するタイミングで地元に戻れるか,戻りたいと思えるかに大きくかかわる。その地域差については,従来,失業率や有効求人倍率などの指標をもって,雇用機会の「量」に関する地域差が主に問題にされてきた。近年の雇用情勢をみる限り,こうした量的な地域差は見かけ上縮小したが,雇用機会の「質」には地域差が多分にある。それは,ひとつには就ける仕事の選択肢(業種・職種)の地域差がある。地方では大企業本社の立地が少ないこともあり,オフィスワーク等,大卒者の希望に沿う雇用機会が相対的に乏しい。また,初任給の格差に代表される労働条件の地域差も依然として大きい。地方でのヒアリング調査からも,地方都市と,都市部から離れた地域の違いこそあれ,こうした要因の複合から若者流出の課題を抱えていた。こうした中,地元企業の存在・魅力が十分知られていないことも,Uターンを躊躇させている状況があることから,希望する若者が地元で仕事・生活していける選択肢を示すため,地域では「働く場」を知ってもらう様々な方策が行われている。</p>

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