教育をめぐる学校・家庭・学校外の関係性の変容

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タイトル別名
  • Changing the Relationship between School, Home, and Outside School in Education:
  • 教育をめぐる学校・家庭・学校外の関係性の変容 : ドイツ・ブレーメン州における移民集住地域の終日学校を事例に
  • キョウイク オ メグル ガッコウ ・ カテイ ・ ガッコウ ガイ ノ カンケイセイ ノ ヘンヨウ : ドイツ ・ ブレーメンシュウ ニ オケル イミンシュウジュウチイキ ノ シュウジツ ガッコウ オ ジレイ ニ
  • Focusing on an All-day School in an Area of Bremen, Germany, with a High Number of Immigrants
  • ――ドイツ・ブレーメン州における移民集住地域の終日学校を事例に――

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抄録

<p> 2000年代に入り,いわゆる「PISAショック」を経験したドイツでは,移民の子どもの低学力ならびに移民の子どもと移民背景をもたない子どもとの間の学力格差が深刻な社会問題として受けとめられた。2003年以降,学力格差是正策の一環として,それまで半日(遅くとも13時頃まで)で終わっていた学校を終日(16時頃まで)とする学校制度改革が進んだ。本稿はこの学校制度の改革過程について,学校,家庭,学校外の関係性の変容という視点から,ドイツ・ブレーメン州(都市州)における移民集住地域の終日学校(ハイドン校)を事例に分析を行ったものである。<br> 本稿では政策過渡期(2007年~2009年)における三者間の関係性を歴史的な観点から振り返り,その時の関係性が今日の状況(2015年~2018年)にどのような含意をもっているのか,二つの時間軸から分析を行った。分析から,三者の関係性は可変的であるものの,それまでの線引き,すなわち領域ごとにきっかりと役割を分けることの意味あいが薄れていることが明らかとなった。学校が終日化したことによって,多様な領域を横断し,連携・調整するものとして教育を位置づけ,子どもの育ちを支える仕組みを根本的に変えていることが明らかとなった。それはまた伝統的な役割規範になじみのない多様な背景をもつ家庭を前提とした議論が,移民受け入れ社会としてのドイツに求められていることを示唆した。</p>

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