宍道湖汀線域における大型糸状緑藻シオグサ類の繁茂状況と周辺環境およびヤマトシジミに及ぼす影響

  • 早坂 裕也
    島根大学大学院生物資源研究科 現所属:国土交通省東北地方整備局
  • 原口 展子
    島根大学研究・学術情報機構エスチュアリー研究センター
  • 國井 秀伸
    島根大学研究・学術情報機構エスチュアリー研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Temporal changes in <I>Cladophora</I> spp. growth and corresponding influences on the environmental conditions and the clam <I>Corbicula japonica</I> in Lake Shinji nearshore waters
  • シンジコ テイセンイキ ニ オケル オオガタ シジョウ リョクソウ シオグサルイ ノ ハンモ ジョウキョウ ト シュウヘン カンキョウ オヨビ ヤマトシジミ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

宍道湖に繁茂するシオグサ類の繁茂状況とその水質・底質および底生生物(ヤマトシジミ)への影響を調べるために現地調査を行った。その結果,シオグサ類は5~6月の上旬に出現し,12月までには完全に消失した。シオグサ類の被覆度は6月と9月に2回のピークがあり,7~9月にかけては湖底に堆積しマットを形成した。シオグサ類が高密度に堆積する時期には,溶存酸素濃度の低下や底質の還元化が認められ,ヤマトシジミの密度も低下した。また,調査期間中に発生した台風により,大量のシオグサ類が堆積した直後には,酸化還元電位(Eh)が-334 mV,硫化物イオン濃度が1.0 mg/l を検出するとともに,ヤマトシジミの個体数の密度が0となった。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 67 (1), 57-64, 2019

    日本水産増殖学会

被引用文献 (1)*注記

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