Behavioral changes by inter-individual distance between different group of Japanese macaques: focusing on approach and avoidance
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- Hanzawa Maho
- 京都大・理
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- Kurihara Yosuke
- 静岡大・農
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- Kaneko Akihisa
- 京都大・霊長研
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- Natsume Takayoshi
- 京都大・霊長研
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- Aisu Seitaro
- 京都大・霊長研
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- Ito Tsuyoshi
- 京都大・霊長研
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- Honda Takeaki
- 京都大・霊長研
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- Hanya Goro
- 京都大・霊長研
Bibliographic Information
- Other Title
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- ニホンザルにおける他群個体との距離に応じた行動変化:接近および回避について
Abstract
<p>多くの霊長類では,隣接群とエンカウンターしないよう事前に回避していると考えられるが,遊動域の重複があればそこでエンカウンターが起こりうる。一般的には,観察者が視認した時点をエンカウンターとすることが多いが,霊長類にとってのエンカウンターとは必ずしも一致しないと考えられる。しかし,実際はどの時点で他群の存在に気づき,回避または接近しているのかはよく分かっていない。本研究では,屋久島西部海岸域に生息するニホンザルのうち,隣接する大小2群を対象に2018年8月から9月の間,各群の雌雄高順位個体1頭ずつ計4頭に装着したGPS発信器の10分間隔の測位値を用いて,群間および群内の個体間距離を算出した。2群のエンカウンターを観察者が視認した時の他群との個体間距離の最大値は81.8mであった。一方,他群との個体間距離が410m以下の時,その10分後に離れた場合の距離が有意に長くなったことから,観察者よりも早く他群の存在に気づき,回避している距離が推定された。410m以下の時では,群内の個体間距離が短いほど,10分後に他群個体へ接近する割合が高くなった。また,他群との個体間距離が1)410m以下,2)81.8m以下の時を接近時とし,接近個体の性によって10分後さらに接近,または回避する割合を比較し,10分後の移動方向の角度を用いて,接近個体の方向へ移動したか否かを判別した。接近個体が雌同士では,1),2)ともに接近時の回数が最も多かったが,10分後に接近または回避する割合は同程度であり,移動方向は互いに相手の方向に移動する割合が最も高かった。一方,異性同士および雄同士では,2)の距離から回避する割合が高く,移動方向は小群が相手の方向へ移動する割合が高かった。よって,雌同士では接近してもあまり気にせずに移動し,エンカウンターと観察者が視認できる距離まで接近した際は,接近個体が雄の場合回避することが多いが,相手の反対方向に回避する訳ではないことが示唆された。</p>
Journal
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- Primate Research Supplement
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Primate Research Supplement 35 (0), 30-30, 2019-07-01
Primate Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390846609814910720
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- NII Article ID
- 130007813513
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed