絶滅が危惧されるニホンザル地域個体群とは何か? ~地域絶滅と交雑問題から考える~

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<p>日時:2019年7月12日(金) 14:00-16:00<br>場所:6Fホール<br><br>環境省は2014年に鳥獣保護法を改正し,「鳥獣の管理」を明確にして法律に「管理」を加え,鳥獣保護管理法へ改正した。同じ年,環境省と農林水産省が連名で「ニホンザル被害対策強化の考え方」の中で「加害群の状況に応じて全頭捕獲や加害群れの個体数削減など捕獲を進め,10年後(平成35年度)までに加害群の数を半減させる」ことを公表した。2007年,農水省では鳥獣被害防止特措法が制定され,市町村は国から予算獲得が可能となり捕獲や防護柵の設置が進められている。鳥獣保護管理法へ法律が改正されてから5年が経過し,地域では捕獲が進み被害は減少傾向にある。しかし,保全のためのチェック機能がない地域もあり地域絶滅が心配されている。それとは別に,ニホンザルの保全の問題として,千葉県のアカゲザルとニホンザルとの間で交雑が進んでいるが解決の目途は立っていない。環境省は,これまでレッドリスト,絶滅のおそれのある地域個体群(LP)で,五葉山,金華山地域個体群を指定し,現在改定を予定している。しかし「保全すべき地域個体群の設定や考え方」についての整理は進んでいないのが現状である。自由集会では,特定計画の策定状況と捕獲の現状について情報を共有する。そしてニホンザル孤立地域個体群の現状と交雑が深刻な房総地域個体群の事例を紹介し,地域個体群存続の意義について考える。<br><br>プログラム<br>1.趣旨説明<br>    半谷吾郎(京都大・霊長研)<br>2.全国のニホンザル管理の現状~特定計画と捕獲を中心に~<br>    滝口正明(自然環境研究センター)<br>3.絶滅が危惧されている地域個体群の現状と課題~近畿・中国地方の現状~<br>    森光由樹(兵庫県大・自然環境研)<br>4.保全すべき地域個体群の考え方~房総半島個体群のLP指定理由について~<br>    川本芳(日獣生科大)<br>コメンテーター<br>    中川尚史(京都大・理)・田中洋之(京都大・霊長研)<br>総合討論<br><br>責任者:森光由樹・半谷吾郎・川本芳(日本霊長類学会・保全福祉委員会)<br>連絡先: morimitsu@wmi-hyogo.jp</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390846609814994048
  • NII Article ID
    130007813514
  • DOI
    10.14907/primate.35.0_13
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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