喀痰のGiemsa染色で診断された白血病肺浸潤

書誌事項

タイトル別名
  • Leukemic pulmonary infiltration diagnosed by sputum Giemsa-staining
  • 症例報告 喀痰のGiemsa染色で診断された白血病肺浸潤
  • ショウレイ ホウコク カクタン ノ Giemsa センショク デ シンダン サレタ ハッケツビョウ ハイ シンジュン

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抄録

<p>急性骨髄性白血病の非寛解期にHLA適合非血縁ドナーより同種骨髄移植を受けた54歳男性。移植後day14の骨髄検査では寛解に至っていたものの,day28の骨髄検査で再発を確認した。湿性咳嗽を認めるようになり,day27のCT検査で肺炎像を認めた。その後,末梢血中の芽球が増えると同時に肺炎像は悪化した。白血病肺浸潤を疑い,喀痰のGiemsa染色を行ったところ,喀痰中に芽球を認めた。喀痰の塗抹標本でFISH検査を行い,骨髄中の芽球同様にmonosomy 7を認めた。白血病再発に対して,hydroxycarbamideの内服とtacrolimusの急速減量を行ったものの,急性骨髄性白血病は進行し,day45に永眠された。翌日病理解剖を施行し,両側肺にびまん性肺胞障害の所見を認めた。肺胞隔壁の血管内に充満する芽球を認めた。肺胞腔内にも集簇する芽球を認め,白血病の肺浸潤と病理学的に診断された。白血病肺浸潤の喀痰に対してGiemsa染色を行うことで,非侵襲的かつ迅速に白血病肺浸潤の診断が可能であった。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (3), 257-261, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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