臍帯血移植後に併発したHHV-6脳炎の後遺症として低体温発作を繰り返した急性骨髄性白血病

  • 酒匂 崇史
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科
  • 田矢 祐規
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科
  • 平山 剛久
    国家公務員共済組合連合会 三宿病院 神経内科
  • 大庭 悠貴
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 糖尿病・代謝科
  • 三ツ木 崇
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科
  • 西田 彩
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科
  • 石綿 一哉
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科
  • 渡部 ちづる
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 糖尿病・代謝科
  • 和氣 敦
    国家公務員共済組合連合会 虎の門病院分院 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Recurrent episodes of hypothermia as a sequela of human herpesvirus 6 encephalitis following cord blood transplantation for acute myeloid leukemia
  • 症例報告 第11回日本血液学会関東甲信越地方会 奨励賞 臍帯血移植後に併発したHHV-6脳炎の後遺症として低体温発作を繰り返した急性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク ダイ11カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ショウレイショウ サイタイケツ イショク ゴ ニ ヘイハツ シタ HHV-6 ノウエン ノ コウイショウ ト シテ テイタイオン ホッサ オ クリカエシタ キュウセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

<p>症例は46歳女性,AML M0に対しCR1で臍帯血移植を施行した。Day 31に見当識障害が出現し,MRIで両側海馬と視床下部に拡散制限を認め,髄液中にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)を検出した。HHV-6脳炎と診断しホスカルネットを増量して髄液中HHV-6の陰転化と意識障害の改善を得たが,day 34から突発的な発汗・低体温と引き続く高血圧・高血糖が出現した。症候性てんかんを疑い抗痙攣薬を,免疫学的機序を疑いステロイドパルスや大量免疫グロブリンを行ったが全て無効で,day 471の退院まで75回もの発作を繰り返した。CVR-Rは持続的に低値で自律神経障害が示唆された。MRIの異常信号は両側海馬では改善したが視床下部で残存し,99mTc-ECD SPECTで視床下部の血流低下を認めた。一連の発作は視床下部に残存する機能障害で説明可能だった。成人で臍帯血移植後にHHV-6脳炎の後遺症として低体温発作を1年以上にわたり繰り返した初めての報告である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 61 (3), 274-279, 2020

    一般社団法人 日本血液学会

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