長野県で初分離された感染源不明のHEV subgenotype 4c株による急性E型肝炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • The first case of hepatitis E subgenotype 4c causing acute hepatitis E in Nagano Prefecture
  • 症例報告 長野県で初分離された感染源不明のHEV subgenotype 4c株による急性E型肝炎の1例
  • ショウレイ ホウコク ナガノケン デ ハツ ブンリ サレタ カンセン ゲン フメイ ノ HEV subgenotype 4cカブ ニ ヨル キュウセイ Eガタ カンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は長野県在住で森林伐採業の62歳男性.全身倦怠感と食欲不振のため近医受診したところ肝酵素の著明な上昇があり紹介された.IgA/IgM HEV抗体,HEV RNAが陽性であり急性E型肝炎と診断した.HEV遺伝子株は4cであった.HEV 4c株によるE型肝炎は主として北海道・東北地方から報告されているが長野県では初めてである.本患者株の分子系統樹解析は北海道株に近接していた.患者は猪鹿など野生動物の肉・内臓は食べず直接接触したこともない.豚の肉・内臓は好きであるが生食はしない.発症1年以内に北海道への旅行歴はなく感染源不明である.国内発生E型肝炎の感染源判明患者の半数近くは豚製品の喫食歴があり市販の豚製品が感染源の一つとして注目される.本患者は生食しないものの豚製品を加熱不十分で食した疑いがあり感染源として考慮する必要がある.HEV感染予防策として飼育豚へのHEV感染阻止と豚製品の加熱調理は重要である.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 61 (4), 197-203, 2020-04-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (18)*注記

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