脳動静脈奇形破裂による脳室内出血に対する内視鏡下血腫除去と第3脳室底開窓術

書誌事項

タイトル別名
  • Endoscopic hematoma removal and third ventriculostomy for the management of acute hydrocephalus due to the rupture of a deep-seated arteriovenous malformation: Report of two cases
  • 症例 脳動静脈奇形破裂による脳室内出血に対する内視鏡下血腫除去と第3脳室底開窓術
  • ショウレイ ノウドウ ジョウミャク キケイ ハレツ ニ ヨル ノウ シツナイ シュッケツ ニ タイスル ナイシキョウ カケッシュ ジョキョ ト ダイ3 ノウシツテイ カイソウジュツ

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説明

<p> 脳動静脈奇形(arteriovenous malformation: AVM)破裂による脳室内出血に対して内視鏡下血腫除去術を施行,急・亜急性期に第3脳室底開窓術(endoscopic third ventriculostomy: ETV)を併用し良好な経過を得た2症例を報告した.症例1は左視床出血で発症した左基底核の長径5cmのAVMで,血腫の脳室穿破による急性水頭症を認めた.発症当日に内視鏡下血腫除去と脳室ドレナージ(External ventricular drainage: EVD)を挿入して脳圧管理を行い,第17病日にETV,慢性期に3回の塞栓術を施行した.症例2では側脳室三角部の破裂AVMで側脳室内出血と急性水頭症を呈していた.発症当日に内視鏡下血腫除去,ETV,およびEVDを行い,第3病日に塞栓術を施行しnidus内の動脈瘤の消失とシャントの減少を得た.塞栓術後にEVDは抜去した.発症1ヶ月後に定位放射線治療を施行した.破裂AVMを起因とする脳室内出血に対する,内視鏡下血腫除去およびETVの報告は少ない.症例選択は慎重を要すが,急性期の脳圧コントロールに加え,EVD留置期間の短縮やシャント術の追加が不要となる利点があり,患者転帰を改善する可能性が示唆される.</p>

収録刊行物

  • NEUROSURGICAL EMERGENCY

    NEUROSURGICAL EMERGENCY 25 (1), 82-87, 2020

    特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency

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