開腹歴のない大網索状物による絞扼性腸閉塞の1例
書誌事項
- タイトル別名
-
- A Case of Strangulated Bowel Obstruction Caused by the Greater Omentum Without a History of Abdominal Surgery
この論文をさがす
抄録
<p>症例は79歳,男性。開腹手術歴はない。現病歴として,食後の心窩部痛と嘔吐を認め近医を受診。腸閉塞が疑われ,加療目的に当院に紹介となる。来院時,心窩部に圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は認めなかった。血液検査上,炎症反応と乳酸値が上昇しており,腹部CTで小腸壁の造影不良と口側小腸の拡張,腹水貯留を認めた。絞扼性腸閉塞を疑い,同日緊急開腹手術を行った。開腹所見では淡血性腹水がみられ,大網と小腸間膜が索状に癒着し,同部位に小腸が陥入し絞扼されている所見を認めた。陥入した小腸は60 cm長で壊死しており,小腸部分切除術を施行した。術後経過は良好で第9病日に退院した。開腹手術歴のない絞扼性腸閉塞の術前診断は困難なことが多い。自験例では,索状化した大網による内ヘルニアが原因であった。開腹歴のない患者の腸閉塞では,腹部症状が出現しにくい大網索状物による腸閉塞も念頭に置き,手術適応を判断する必要がある。</p>
収録刊行物
-
- 日本腹部救急医学会雑誌
-
日本腹部救急医学会雑誌 39 (3), 545-548, 2019-03-31
日本腹部救急医学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390846609824064000
-
- NII論文ID
- 130007830998
-
- ISSN
- 18824781
- 13402242
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可