痙直型脳性⿇痺両⿇痺児の⽴位姿勢における脊髄興奮性の変化 ―H 反射を⽤いたpilot study―

DOI
  • 楠本 泰⼠
    東京⼯科⼤学医療保健学部理学療法学科
  • 菅原 仁
    東京⼯科⼤学医療保健学部理学療法学科
  • 新⽥ 收
    ⾸都⼤学東京⼤学院⼈間健康科学研究科理学療法学域
  • 松⽥ 雅弘
    城⻄国際⼤学福祉総合学部理学療法学科
  • ⾼⽊ 健志
    ⽬⽩⼤学保健医療学部理学療法学科

抄録

【⽬的】ヒラメ筋H 反射は姿勢によって変調され,健常者では臥位と⽐べて⽴位時にはH 反射の振幅が⼩さくなる.しかし,⾼齢者では⽴位時にH 反射の振幅の増⼤が報告されており,脳性⿇痺患者でも健常者と異なる反応が起こる可能性がある.そこで本研究は,痙直型脳性⿇痺両⿇痺児の⽴位姿勢におけるH 反射の変化を明らかにすることを⽬的とした.【⽅法】対象者は痙直型脳性⿇痺両⿇痺児5 名(平均年齢16 歳(12〜19 歳),GMFCS レベルⅡが2 名、Ⅲが3 名)とした.H 波の測定は安静腹臥位とし,刺激電極を膝窩部に設置し,最⼤のH 波を確認できるところまで電流量まで上げ,H 波の潜時と振幅値,電流値を読み取った.その後,安静⽴位にて同様の測定を⾏った.本研究は東京⼯科⼤学倫理審査委員会の承認を得て⾏い,本⼈及び保護者には⼝頭と書⾯で説明し,同意を得た.【結果】伏臥位でのH 波は潜時(ms),振幅値(mV),電流値(mA)の順に27.0±1.8,1.65±1.16,8.8±2.7 だった.⽴位では26.8±2.0,2.37±1.33,15.1±8.1 だった.伏臥位に対する⽴位の振幅値の変化率は176±82%,電流値は163±43%だった.レベルⅡの1 名が⽴位時に振幅値の変化率が61%と低下した.【考察・結語】痙直型脳性⿇痺患者では腹臥位より⽴位にてH 反射の振幅が⼤きく,姿勢による反射の調節能⼒が低下することが⽰唆された.今後は下肢随意性や運動レベルを加味しての検討の必要があると思われる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390846609824112512
  • NII論文ID
    130007831252
  • DOI
    10.24531/jhsaiih.21.supplement_30_2
  • ISSN
    24333018
    18800211
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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