Sense of Difficulty in Providing Support for Balancing Cancer Treatment and Work Among Occupational Health Nurses

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抄録

<p>目的:本研究は,がん治療と仕事の両立支援における産業看護職の困難感の程度を評価することを目的とした.</p><p>方法:研究者らが過去に実施した質的研究の成果に基づき,がん治療と仕事の両立支援において産業看護職が抱える困難感に関する11の質問項目を作成し,郵送法による産業看護職への質問紙調査を実施した.回答には4件法のリカート尺度を用い,困難感が高いほど高得点となるように設定した.因子分析により困難感に関する項目を因子に分け,因子ごとのスコアをフリードマン検定およびウィルコクソンの符号検定により比較した.困難感と他項目との関連を順位相関分析により検討した.</p><p>結果:がん治療と仕事との両立支援に関する困難感は4つの因子に分けられた.第1因子はがんを持つ労働者の気持ちに寄りそった支援をする際の困難,第2因子は企業外の関係者との連携における困難,第3因子は上司や職場を支援する際の困難,第4因子は企業内での連携に関する困難,である.フリードマン検定により有意な因子間差を認め,ウィルコクソン検定を行った結果,第2 因子が他の因子より有意に高値であった.また,困難感が高いほど,がん治療と仕事の両立支援の実施割合が低いという有意な関連が認められた.</p><p>考察:病院スタッフや家族などの企業外関係者との連携は,産業看護職にとって最も難しい支援活動の1つであることが示された.本研究成果を活かした研修プログラムの開発により,産業看護職が困難感を払拭し,がん治療と仕事の両立支援の推進に寄与することが期待される.</p>

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