一塊切除を行った翼状突起基部に進展した若年性血管線維腫例

  • 乾 隆昭
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 安田 誠
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 岡本 翔太
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 大西 俊範
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 鯉田 篤英
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 呉本 年弘
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 富井 美奈子
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
  • 平野 滋
    京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Surgical Treatment of Juvenile Angiofibroma that Erode the Base of Pterygoid Resected by En Block Resection

この論文をさがす

説明

<p>若年性血管線維腫は,思春期の男性に好発するまれな良性の血管腫瘍である。組織学的には良性腫瘍であるが骨を破壊しながら浸潤性に周囲に進展するため,臨床的には悪性腫瘍に準じて取り扱われる。近年は,内視鏡手術の普及,機器の発展,熟練者の増加などから,内視鏡下での治療報告は増加傾向である。本疾患の根治的な治療は外科的完全摘出であることに加え,腫瘍が顔面深部に存在し,易出血性であることから確実な止血操作が可能であるよう十分な視野を確保できる術式が求められる。また,術中の出血を抑える点で術前の選択的血管塞栓術が勧められている。しかし,本腫瘍はまれであるため治療に習熟している施設は少なく術式選択に統一した見解は今のところない。今回われわれは15歳の男児で翼状突起基部にまで進展する若年性血管線維腫例を経験した。術前に血管塞栓術を施行しDenker法に内視鏡を併用して腫瘍を一塊切除した。術後3年半経過しているが再発なく経過している。本疾患の治療は術中の十分な視野確保が重要であると考えられる。そのためには術前血管塞栓術を行い,出血量の減少を図ることと,また術式については内視鏡に拘らず,柔軟な術式選択を行うことが肝要であると考えられた。</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ