健康格差社会と転倒予防

  • 近藤 克則
    千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門 国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部

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  • ケンコウ カクサ シャカイ ト テントウ ヨボウ

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<p> 「健康日本21(第2 次)」で「健康格差の縮小」が政策目標になった。転倒やその関連要因における健康格差を紹介し,環境への介入による対策の可能性を示したい。</p><p> 健康格差とは,「地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差」のことである。転倒についても,都市に比べて農村,高所得・高学歴者に比べて低所得・低学歴者に多いという健康格差がある。その生成プロセスは,地域レベルの因子や社会階層,社会参加,ネットワーク・サポートなどの社会経済的因子が,うつや歩行量などに影響を及ぼし,それらが転倒を増減するものである。</p><p> 社会参加を促す地域介入を試みると,社会参加は増え,参加群で認定率が低かった。今後,どのような環境への介入で,人々の行動がどのように変わり,健康指標まで改善するのかを検証し,効果的なゼロ次予防策を蓄積していく必要がある。</p>

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