調成・抄紙連携最適化ソリューションのご紹介

  • 和田 健一郎
    横河電機株式会社 IA―PS アナライザーセンター P&W ソリューション統括部

書誌事項

タイトル別名
  • Introduction of Cooperative Process Optimization between Paper Machines and Stock Preparation
  • 調成・抄紙連携最適化ソリューションのご紹介 : 制御性改善と銘柄変更自動化へ向けた新しい取り組み
  • チョウセイ ・ ショウシ レンケイ サイテキカ ソリューション ノ ゴショウカイ : セイギョセイ カイゼン ト メイガラ ヘンコウ ジドウカ エ ムケタ アタラシイ トリクミ
  • ―A New Approach to Improving Control Performance and Automating Grade Change Operations―
  • ─制御性改善と銘柄変更自動化へ向けた新しい取り組み─

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抄録

<p>本稿では,プロセス間連携最適の視点から,複数プロセスからなるプラントの制御性を改善する取り組みを紹介する。この取り組みの基礎となるのは,DCSから収集した1秒周期のデータ(以下,プラントビッグデータ)である。プラントビッグデータの解析を行うことで,課題の洗い出しや原因特定を行い,具体的な改善につなげていくことが基本の活動フローとなる。実際に製紙工場に適用したソリューションを二例,紹介する。</p><p>一例目は,坪量の周期変動を抑制することで製品品質の安定,銘柄変更時間の短縮に効果を上げたPID制御チューニングである。プラントビッグデータの解析により,坪量変動が調成工程と抄紙工程のプロセス干渉によるものであることを突き止め,続いて改善すべき制御ループを特定した。さらに制御性改善のための新しいチューニングパラメータも独自のアルゴリズムにより過去の操業データを使って決定した。</p><p>二例目は,銘柄変更時の調成工程と抄紙工程の操作を自動連携させ,最短時間で目標品質に収束させる新しい制御ソフトウェアの開発である。プラントビッグデータの解析により,灰分の収束時間を短縮することで坪量を含めた全体の銘柄変更時間を削減できる余地を見出したことが開発のきっかけとなった。また本ソフトウェア自体も,プラントビッグデータ解析によるプロセス同定パラメータを使用することや,リアルタイムに解析を行い操業条件を提案する機能を持つなど,これまでにない特色を備えている。</p><p>当社は引き続き,プロセス連携最適化の活動に継続して取り組んでいく。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (3), 252-255, 2020

    紙パルプ技術協会

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