ネオニコチノイド化合物,アゾール化合物,有機ヨード化合物,四級アンモニウム化合物を含有する木材保存剤の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of new wood preservative containing neonicotinoid compounds, azole compounds, organoiodine compounds and quaternary ammonium compounds
  • ネオニコチノイド化合物,アソール化合物,有機ヨード化合物,四級アンモニウム化合物を含有する木材保存剤の開発
  • ネオニコチノイド カゴウブツ,アソール カゴウブツ,ユウキ ヨード カゴウブツ,ヨンキュウ アンモニウム カゴウブツ オ ガンユウ スル モクザイ ホゾンザイ ノ カイハツ

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抄録

木材の耐用年数の延長は,森林資源の持続的な利用にとって重要であることから,木材防腐・防蟻剤による保存処理が行われる。しかし,保存処理木材を屋外環境で用いる際には,防腐・防蟻剤の環境中への溶脱が懸念される。そのため,より安全性の高い木材保存剤として,ネオニコチノイド化合物・アゾール化合物・有機ヨード化合物・四級アンモニウム化合物を有効成分とし,重金属を含まない木材保存剤(商品名「ミラクルローレルAZ」)を開発した。この防腐・防蟻剤を注入処理した木材について,JIS 規格に基づいた防腐・防蟻試験を実施した結果,各種試験の性能基準を満たした。また,注入処理木材に対して魚毒性試験を実施した結果,従来の銅化合物やDDAC(ジデシルジメチルアンモニウムクロリド)を有効成分とする木材防腐・防蟻剤を注入処理した木材と比較して,より低魚毒性である結果が得られた。これは水環境の周辺や雨水に曝される環境下で処理木材を使用しても,周辺環境へ与える影響が少ない事を示唆している。さらに,JIS 規格に基づいた処理木材の鉄腐食性試験においても性能基準を満たし,加えて実施した薬剤自体の鉄腐食性能評価試験では,防食効果を有することがわかった。

収録刊行物

  • 木材保存

    木材保存 46 (2), 89-99, 2020

    公益社団法人 日本木材保存協会

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