骨髄異形成症候群を合併した壊疽性膿皮症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pyoderma Gangrenosum Accompanied by Myelodysplastic Syndrome
  • 症例 骨髄異形成症候群を合併した壊疽性膿皮症の1例
  • ショウレイ コツズイイケイセイ ショウコウグン オ ガッペイ シタ エソセイ ノウ ヒショウ ノ 1レイ

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説明

<p>62 歳,男性。初診 9 日前に左臀部の表皮囊腫を摘出した。術後,創周囲に発赤,腫脹が出現したため,細菌性膿瘍と診断し,切開排膿術を施行したところ,膿瘍の拡大と発熱が出現したため当院を紹介され受診した。初診時,左臀部中央に壊死組織を伴う手拳大の潰瘍があり,辺縁には紫斑,硬結を触れる発赤があった。血液検査で CRP 上昇に加えて貧血,血小板減少,白血球上昇と骨髄芽球の出現を認めた。骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes:MDS)を合併した壊疽性膿皮症と診断し,入院の上プレドニゾロン 25 mg/ 日の内服を開始した。プレドニゾロン開始後,解熱し炎症反応も低下したが,疼痛が強く潰瘍の縮小もみられなかったため,プレドニゾロンを 55 mg/ 日に増量したところ,潰瘍はやや縮小し辺縁の皮下硬結も軽減した。しかし,その後プレドニゾロン漸減に伴い潰瘍の拡大と末梢血芽球の増加を認めたため,シクロスポリン 250 mg/ 日を追加投与した。MDS に対してはアザシチジンを投与したが反応に乏しく,入院約 4 カ月後に永眠した。外傷や外科的侵襲後の急速に進行する膿瘍・潰瘍病変は壊疽性膿皮症を疑い,合併症の検索が必要と考えた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 82 (2), 85-89, 2020-04-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (6)*注記

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