中島航空金属田無製造所専用側線の実態

書誌事項

タイトル別名
  • The Actual Situation of Private Siding of the Nakajima Aircraft Metal Tanashi Foundry
  • 中島航空金属田無製造所専用側線の実態 : 歴史的遺構としての武蔵野鉄道東久留米駅構外側線
  • ナカジマ コウクウ キンゾク タナシ セイゾウショ センヨウ ソクセン ノ ジッタイ : レキシテキイコウ ト シテ ノ ムサシノ テツドウ ヒガシクルメエキ コウガイ ソクセン
  • The Musashino Railway Higashi-kurume Station off-Premise Siding as a Historical Heritage
  • 歴史的遺構としての武蔵野鉄道東久留米駅構外側線

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抄録

旧・中島航空金属田無製造所専用線(旧・武蔵野鉄道東久留米駅構外側線)は,武蔵野鉄道武蔵野線(現・西武鉄道池袋線)東久留米駅(貨物)側線から分岐し,中島航空金属株式会社田無製造所内に至る全長2.45 km(実質),軌間1,067 mm, 非電化の単線である.第二次世界大戦末期の1944(昭和19)年に工場への資材輸送等を目的に急造したものの,1945(昭和20)年8 月15日の終戦による工場の操業停止で事実上の廃線となった極めて短命な線路である.専用線跡は一部区間が東久留米市の緑地(緑道)として残されている他,所々に当時の痕跡を留めており,地域の土木遺産,戦争遺跡,鉄道廃線跡として後世に残すべき歴史的遺構といえる(一部が東久留米市の旧跡に指定).一方,専用線供用当時の実態については僅かな資料・証言が残るのみで,列車の写真等も発見されておらず,その実態についてよく分かっていないのが現状である.そこで本研究では,専用線跡の積極的な保存・活用に向けた提言をまとめることを念頭に,まずは当該専用線に関する事実関係をまとめることとした.具体的にはこれまでに専用線について記述された文献・資料の総合的なレビューを通じ既往研究の展開を整理するとともに,収集した資料・証言から読み取れる事柄を基に専用線について通史的にまとめた.またそこから不明点,疑問点等を挙げ,考察を加えるとともに今後の調査・研究課題として列挙した.なお,本稿では専用線の廃止(終戦)までを対象とし,その後の経過については続報としてまとめることとした.

収録刊行物

  • 生活大学研究

    生活大学研究 5 (1), 108-123, 2020

    学校法人 自由学園最高学部

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