喘息様症状を呈した気管支グロムス腫瘍の1例

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  • A Case of Glomus Tumor of the Bronchus with Asthmatic Symptoms

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抄録

<p>背景.グロムス腫瘍は平滑筋とグロムス小体からなる間葉系由来の腫瘍で,気管,気管支のグロムス腫瘍は非常に稀である.症例.喘息様症状を呈する56歳男性.呼吸機能検査では閉塞性障害を呈した.胸部CTでは左主気管支中枢側に径約15 mm程度のポリープ状腫瘤が認められ,3D-CT気道解析ソフトでは左主気管支の途絶像が認められた.気管支鏡検査では左主気管支中枢側に血管豊富なポリープ様腫瘤が認められた.胸部外科で硬性気管支鏡下のポリープ状腫瘤切除術と,その後左主気管支管状切除術+再建術が施行された.病理免疫染色ではα-smooth muscle actin陽性でグロムス腫瘍の診断であった.術後の胸部CT気道解析ソフトでは途絶していた左主気管支が元通り描出され呼吸機能検査で1秒率と呼吸抵抗は正常化した.結論.左主気管支グロムス腫瘍により喘息様症状をきたした稀有な症例を経験した.従来のCTとともに3D-CT気道解析ソフトは治療経過の評価に有用であった.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (3), 245-251, 2020-05-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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