カシス由来ポリフェノール摂取によるシャワー浴後保温効果に関するパイロット・スタディ

  • 早坂 信哉
    一般財団法人日本健康開発財団 温泉医科学研究所 東京都市大学 人間科学部
  • 樋口 善英
    一般財団法人日本健康開発財団 温泉医科学研究所 作新学院大学 経営学部 スポーツマネジメント学科
  • 倉重 恵子
    株式会社明治フードマテリア 機能性素材事業部 研究開発グループ
  • 曽我 俊博
    株式会社明治フードマテリア 機能性素材事業部 研究開発グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of keeping body warm after shower bath by cassis-derived polyphenol: A pilot study
  • カシス ユライ ポリフェノール セッシュ ニ ヨル シャワー ヨクゴ ホオン コウカ ニ カンスル パイロット ・ スタディ

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説明

<p>背景・目的 近年では、浴槽に浸かる温浴より、シャワー浴で済ませる人の割合が増加している。しかし、シャワー浴は一般的に温浴よりも温熱も冷え性の改善効果が認められない。また、カシスポリフェノール摂取は血流を改善することが知られている。そこで、カシスポリフェノール飲用後にシャワー浴を行う場合と、通常の水道水飲用後にシャワー浴を行う場合と比較し、カシスポリフェノール飲用後にシャワー浴を行う場合とで、シャワー浴の温熱刺激後の保温効果冷え性の改善効果および湯冷め遅延効果が得られるかを、皮膚表面温度および舌下温(深部体温)の差から明らかにすることを目的とした。</p><p>対象・方法 健康な成人女性10名を対象にカシスポリフェノール飲用後のシャワー浴と水道水飲用後のシャワー浴とを、それぞれ41℃で10分間ずつ行い同一被験者内比較介入試験を実施した。各入浴時における手足の皮膚表面温度および舌下温の測定を行い測定値の平均を求めpaired-t検定で比較した。</p><p>結果・考察 手足の皮膚表面温度表面体温では、カシスポリフェノール飲用後で有意な差をもって保温効果が高まる結果が得られた。したがって、シャワー浴の前にカシスポリフェノールを飲用することで、手足の保温、湯冷め遅延効果が得られることから、シャワー浴の短所であるである、浴後の体温低下、(いわゆる湯冷め)冷え性の改善効果が得られる可能性があると示唆された。舌下温の測定では、有意な差はなかった。</p><p>結論 カシスポリフェノールを飲用後のシャワー浴は、水道水を飲用後のシャワー浴よりも保温効果が高まり、体温維持の延伸効果が得られると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 日本健康開発雑誌

    日本健康開発雑誌 41 (0), 58-64, 2020-06-19

    一般財団法人 日本健康開発財団

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