腹部外傷におけるDamage Control Surgeryの適応基準の検討

  • 漆畑 直
    松戸市立総合医療センター救命救急センター
  • 村田 希吉
    松戸市立総合医療センター救命救急センター
  • 大友 康裕
    東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • Damage Control Indication for Severe Blunt Trauma Injuries in Japan

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説明

<p>腹部外傷におけるdamage control surgery(以下,DCS)の適応基準はいまだに多くの議論がある。今回われわれは,鈍的外傷患者におけるDCSの新適応基準を検討した。日本外傷データバンクから緊急開腹手術を受けたfocused assessment with sonography in trauma(FAST)陽性の鈍的外傷患者1,934例を抽出し,DCSを受けた364例と通常開腹手術を受けた1,570例を分析した。DCS群は来院時のバイタルサインが悪く,輸血率,死亡率いずれも高値であった。ロジスティック回帰分析では,血圧,意識レベル,体温がDCSの独立した予測因子であった。これら予測因子を用いてDCS予測スコアを作成したところ,死亡率と相関を認めた。Cut Off値3点で死亡率35.8%,感度 68%,特異度 63%であり,DCSの適応基準として妥当であった。本スコアは迅速に評価でき,早期よりDCSを要する重症患者の認識が可能である。</p>

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