下顎骨背側の口腔腫瘍にダイヤモンドバーと超音波スケーラーを用いて下顎骨辺縁切除した犬猫の5例

  • 渡邊 一弘
    岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科獣医外科学研究室
  • 岩崎 遼太
    岐阜大学応用生物科学部附属動物病院
  • 後藤 匠
    岐阜大学応用生物科学部附属動物病院
  • 齊藤 和之
    岐阜大学応用生物科学部附属動物病院
  • 森 崇
    岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科獣医分子病態学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Mandibular Rim Excision for Oral Tumors in the Dorsal Side of the Mandibular Bone Using a Diamond Bur and an Ultrasonic Scaler: Five Cases in Dogs and Cats

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抄録

<p>犬4頭(棘細胞性エナメル上皮腫2頭,悪性メラノーマ,骨肉腫)と猫1頭(線維肉腫)の下顎骨背側に認められた口腔腫瘍に対して下顎骨辺縁切除を行った。腫瘍は,マイクロエンジンに装着したダイヤモンドバーで腫瘍の形状に沿って曲線的にマージンを確保しながら,下顎骨腹側縁を残し,腫瘍含有骨片として摘出した。切除した断面に残った歯根はW型サージェリーチップを装着した超音波スケーラーで除去した。手術後,全ての症例で採食,咬合,審美に問題はなく,病理組織学的に腫瘍は完全切除されていた。今回行った下顎骨辺縁切除では,下顎骨切除などの積極的な外科手術と比べても治療成績はあまり変わらずにQOLを維持することが可能であった。下顎骨辺縁切除を行う場合,超音波スケーラーを用いることで下顎骨の損失を最小限にして十分な骨を残すことができ,いままで適用が難しかった小型犬や猫でも適用が可能となる。</p>

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