経鼻胃管によって異所性右鎖骨下動脈–食道瘻を来したびまん性橋膠腫

DOI
  • 中川 俊輔
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 岡本 康裕
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 櫨木 大祐
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 児玉 祐一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 西川 拓朗
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 江口 太助
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
  • 林 完勇
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科放射線診断治療学分野
  • 河野 嘉文
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Diffuse intrinsic pontine glioma with aberrant right subclavian artery–esophageal fistula induced by nasogastric tube

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説明

<p>異所性右鎖骨下動脈–食道瘻は稀だが,止血が困難で,致死的な疾患である.症例は4歳のびまん性橋膠腫の患児で,放射線治療と化学療法中に突然大量に吐血し,出血性ショックを来した.上部消化管内視鏡検査で経鼻胃管による食道潰瘍から出血を認めた.食道バルーンで応急的に止血し,造影CTで異所性右鎖骨下動脈–食道瘻を確認した.その後,経カテーテル的動脈塞栓術で完全に止血でき,救命できた.本症例は,小児がん患者が異所性右鎖骨下動脈–食道瘻を発症した点と,経カテーテル的動脈塞栓術で止血に成功した点のいずれにおいても最初の報告である.化学療法は粘膜障害を引き起こすため,胃管留置による潰瘍や瘻孔形成を増悪させる可能性がある.胃管を留置して化学療法を行う前には異所性右鎖骨下動脈の有無を評価する必要がある.経カテーテル的動脈塞栓術は異所性右鎖骨下動脈–食道瘻に対して有効な止血手段である.</p>

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