ウエットエンド薬品定着性向上による欠陥低減システムの構築

  • 大石 浩之
    システムの構築ソマール株式会社 技術本部 技術開発部
  • 但木 孝一
    システムの構築ソマール株式会社 技術本部 技術開発部
  • 春日 一孝
    システムの構築ソマール株式会社 技術本部 技術開発部

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of Defect Reduction System by Improving Wet-end Chemical Retention
  • ウエットエンド ヤクヒン テイチャク セイコウ ジョウ ニ ヨル ケッカン テイゲン システム ノ コウチク

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説明

<p>弊社では長年に渡り紙面欠陥の分析を実施しているが紙面欠陥の要因としては,微生物要因と非微生物要因に大別される。非微生物要因によって発生する紙面欠陥の原因としては,主にサイズ剤や紙力剤等の内添薬剤が関与していることが多い。このような紙面欠陥に対しては,弊社の新技術である「リアクティブポリマーテクノロジー」を導入した高機能歩留り剤「リアライザーR,FXシリーズ」や多機能凝結剤「リアライザーAシリーズ」を適用することで各種内添薬剤の定着性を向上させ,薬剤の使用量や紙面欠陥を低減できる結果が得られている。これまでは新規ポリマーの洋紙分野への適用を進めて来たが近年では,サイズ剤やPAM系紙力剤の使用量増加が顕著な板紙分野への展開を進めている。</p><p>「リアクティブポリマーテクノロジー」や新規に「特殊モノマー」を導入した「リアライザーAシリーズ」でラボ評価や実機評価を行った結果,サイズ剤,紙力剤の定着性を向上させることが可能であった。更に水溶液タイプのリアクティブポリマーでは,蛍光染料の定着性向上も可能という結果が得られた。このように「リアクティブポリマーテクノロジー」や新規「特殊モノマー」の導入により,歩留り剤や凝結剤の高機能化が進み各種内添薬剤の定着剤としても位置付けを確立できる段階まで近づいてきている。</p><p>ウエットエンドを最適化して紙面欠陥を低減させるためには,微生物対策,つまり系内の菌数管理も大変重要なファクターである。微生物要因の紙面欠陥に対しては,弊社の最新のスライムコントロールシステム「キュアサイドシステム」適用で紙面欠陥低減が可能である。</p><p>弊社では様々な要因で発生する紙面欠陥に対し,多方面からのアプローチで紙面欠陥低減システムを構築していく。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 74 (4), 309-315, 2020

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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