新規作用機序を有する骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(遺伝子組換え)(イベニティ<sup>®</sup>)の薬理学的特徴と臨床試験成績

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タイトル別名
  • Pharmacological characteristics and clinical study results of romosozumab (EVENITY<sup>®</sup>; genetical recombination), a drug with novel mechanism of action to treat osteoporosis at high risk of fracture
  • 新薬紹介総説 新規作用機序を有する骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(遺伝子組換え)(イベニティ)の薬理学的特徴と臨床試験成績
  • シンヤク ショウカイ ソウセツ シンキ サヨウ キジョ オ ユウスル コツソショウショウ チリョウヤク ロモソズマブ(イデンシ クミカエ)(イベニティ)ノ ヤクリガクテキ トクチョウ ト リンショウ シケン セイセキ

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抄録

<p>ロモソズマブ(イベニティ®)は,スクレロスチンをターゲットに創薬されたヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体である.スクレロスチンは,骨細胞によって産生される糖タンパク質で,骨芽細胞系細胞でWntシグナル伝達を抑制することにより,骨芽細胞による骨形成を抑制するとともに破骨細胞による骨吸収を促進する.ロモソズマブはスクレロスチンに結合することでその作用を抑制し,骨形成の促進,骨吸収の抑制を示す.ロモソズマブの骨形成促進作用は主にモデリングに基づくとされる.ラットおよびカニクイザルの卵巣摘出(OVX)モデルを用いた検討において,ロモソズマブは骨量および骨強度を用量依存的に増加させた.また,ロモソズマブは継続投与により,骨形成促進作用の減弱が認められた.ロモソズマブはラットにおいて骨芽細胞の過形成や良性骨腫瘍,悪性骨腫瘍の発生がほとんどみられず,これは時間依存的な骨形成促進作用の減弱が要因と考えられる.臨床試験では,投与12ヵ月の時点で新規椎体骨折抑制効果が認められ,6ヵ月時点で骨密度増加が認められている.骨形成促進作用と骨吸収抑制作用のデュアル・エフェクトを有するロモソズマブは,新しい治療の選択肢となると期待しており,2019年1月に「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果として承認された.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 155 (4), 258-267, 2020

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (27)*注記

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