職能武家集団の移住にみる千町野開発の意義と実態

  • 夏目 宗幸
    京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程 日本学術振興会特別研究員
  • 安岡 達仁
    京都大学大学院文学研究科修士課程

書誌事項

タイトル別名
  • Significance and Reality of the Shogunate Retainers’ Migration as Technocratsin the Development of Senchono

抄録

<p>千町野開発は,武蔵野台地における初期新田開発の一例であることから,地理学上の新田開発研究のモデルケースとして,これまで種々の学説が提唱されてきた.それらの研究は,対象地の計画地割や土地利用,土地生産力,あるいは土豪名主の役割規定などの視点から千町野開発の実態を把握しようと試みているが,幕府の具体的関与の実態について言及していない.本研究はこの点に着目し,千町野開発におけるその実態を明らかにするために,千町野に移住した武家集団の詳細な来歴を調査した.その結果,千町野に移住した武家集団は,三つの職能集団すなわち,1)代官・代官手代の集団,2)鷹狩・鷹場管理を専門とする集団,3)測量・普請を専門とする集団に分類できることが明らかとなった.これにより千町野開発は,幕府技術官僚としての職能武家集団の関与によって遂行されてきたと結論付けた.</p>

収録刊行物

  • E-journal GEO

    E-journal GEO 15 (2), 189-199, 2020

    公益社団法人 日本地理学会

被引用文献 (1)*注記

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