バングラデシュにおける少数民族に対するノンフォーマル教育の役割

書誌事項

タイトル別名
  • Roles of non-formal education amongst ethnic minority groups in Bangladesh
  • バングラデシュにおける少数民族に対するノンフォーマル教育の役割 : 小規模少数民族クミに焦点を当てて
  • バングラデシュ ニ オケル ショウスウ ミンゾク ニ タイスル ノンフォーマル キョウイク ノ ヤクワリ : ショウキボ ショウスウ ミンゾク クミ ニ ショウテン オ アテテ
  • Focusing on one of the smallest ethnic minority groups, the Khumi
  • -小規模少数民族クミに焦点を当てて-

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抄録

本研究の目的は、バングラデシュのチッタゴン丘陵地帯の小規模少数民族クミ村落におけるノンフォーマル教育の役割について検討することである。バングラデシュの初等教育は、初等教育純就学率97%に達し、現在は「ラスト10%、5%」をいかに就学させるかという局面にある。小規模少数民族クミは、バングラデシュの少数民族の中でも人口が2,899人と、特に少ないことに加え、山頂付近に暮らしている地理的要因から教育開発が行き届いていない地域とされており、2009年には88%のクミが教育を受けていない状態にあったことが報告されている。  現地調査では、クミ集落ロンタン村にあるノンフォーマル学校「キニテウシュシュショドン」の参与観察及び教職員に対するインタビュー調査に加え、ロンタン村の世帯主に対する半構造化インタビューを実施した。調査の結果、ノンフォーマル学校はロンタン村の就学率向上につながり、現在は教育の機会を保障するセーフティーネットとしての役割を果たしている事が明らかになった。一方で、ロンタン村の世帯主らが学校教育に求めているものが、質の高い教育の保証の段階へと移行しているため、学校側は今後の在り方を再考しなければいけなくなってきている。しかし、地域コミュニティにおけるボランタリー・アクションとしてのノンフォーマル教育が、その要求にどこまで応えられるのかが、研究を要する課題といえる。

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